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アマゾンと物流大戦争 (NHK出版新書)

アマゾンと物流大戦争 (NHK出版新書)

この本について

タイトル アマゾンと物流大戦争
著者 山中伸弥、緑慎也
出版社 講談社
ページ数 208

なぜこの本を読んだのか?

ノーベル賞受賞も記憶に新しい山中先生。以前テレビの密着ドキュメント的なものを見て、意外と面白い方なんだなと思い、あのインテリヤクザ風のメガネの奥の目は何を見ているのか知りたくなったので。

気になった・印象に残った点

日本はまだアマゾンへの危機感がない

あらゆる商品を取り扱うようになったアマゾンは、消費者からすればとても便利で重宝しますが、これまであった実店舗や小売店はお客さんを取られてしまっている状況ではあります。これに日本の店舗、企業はまだ危機感がないとありましたが、これには気づきませんでした。フランスでは、国としてアマゾンに反対する動きもあるそうですが、これには驚きです。

アマゾン急成長の理由

徹底した消費者目線!

アマゾンは売り上げを右肩上がりで伸ばしているにも関わらず、そのほとんどを自社の物流システムに費やしているそうです。いかに安く、いかに早く商品を届けるか、を第一に考えることで、利用者を増やし、売り上げを伸ばしていくというグッドスパイラルを生んでいるんですね。アマゾンプライム、ドローンを使った配送、ダッシュボタン。また、個人的にはアマゾンペイメントも非常に便利だと思っています。

緻密に作り上げたロジスティクス

とにかく著者は、ロジスティクスを築き上げるのは並大抵のことではない、大変だと言っています。新規参入しても、そこをうまく築くことが難しいと。しかし、アマゾンは本専門のネット通販からはじめ、地道に自社のロジスティクスを開発してきたそうです。
(なぜ本から始めたのかが書いてありますが、非常なうまいなぁと感じました)
先日、ASKULの倉庫が火事になりましたが、こちらも独自のロジスティクスを持っていたと思うので、被害は相当だったのではないでしょうか。。。

差をつけられた楽天

どちらもモールという形式に違いはありませんが、大きく違うのは配送をどちらがやるかということですね。アマゾンは出店すると注文後の配送業務まで一括して行ってくれます(一部そうでない店舗もあります)が、楽天は配送を各店舗に任せた結果、店舗によって配送にバラつきが出て評価が落ち、商品数や価格で差をつけられ、お客さんを取られてしまっている状況だそうです。著者はサイトのデザインは関係ないとしていましたが、個人的にはおおいに関係している気がします。だってアマゾンのほうが圧倒的に見やすいですもん。また、同じ楽天内で商品を購入しても、店舗が違うと配送もバラバラですが、アマゾンではまとめることができますので、ここも大きなポイントな気がします。



ストックポイント、商品ラインナップ、配送先の重要性

アマゾンもそうですが、物流を自社で始める場合、初期は商品ラインナップと配送先が重要なんですね。商品をある程度絞り、配送先(エリア)も限定することで初期投資を少なく、ロジスティクスを構築していく必要があると。例として、カクヤス、グリコ、アスクルが挙げられていましたが、アスクルが配送先を企業にしたことで、再配達を無くしたというのは非常に勉強になりました。

ECサイト利用者数の増加と配達員不足

この本によると、ここ数年での日本のECサイト利用率は非常に伸びてきており、これからもどんどん伸びるだろうとのこと。配達員(ドライバー)不足の原因としては、給与が下がっていること、佐川がアマゾンと契約を打ち切ったこと、運ばれる商品が増加していることなどが挙げられていましたが、単純に給与を上げて配達員を増やせば解決する問題ではない気がします。中でもネックは再配達だそうですが、これは受け取る側の意識改革も必要だと思います。
多少面倒でも駅やコンビニ受け取りにする、宅配ボックスがある場合は、そこに入れてもらうよう注文時に明記する、自宅を留守にしがちな場合は届け先を職場などにする。などなど、受け取る側でも少しずつできることはあると思います。

とにかくお客さんのことを考えるアマゾン

冒頭にも書きましたが、とにかくアマゾンはお客さんのことを第一に考えているんですね。

  • 地球上で最も豊富な品揃え
  • 地球上で最もお客様を大切にする企業であること

アマゾンには上記2つの企業理念があるそうです。壮大ですね。
この理念に基づき、商品ラインナップ、価格設定、配送クオリティー、スピードの向上を常に行っているのですから、そりゃみんなアマゾン使いますよね。これらを確実にクリアしていくために、機械化、コスト削減、物流センターの増置など、利益度外視でお客さんに還元してくれているというのは、非常に頭が下がります。。こうしてくれることにより、さらにお客さんが増え、売り上げも伸び、それをロジスティクスに投資することでまたお客さんが増えていく。これは前回の藤野英人さんの「投資家が「お金」よりも大切にしていること」にもありましたが、みんなのことを第一に考えることで、自分たちにも還元されるということですね。

アマゾンに対抗するヨドバシカメラ

ヨドバシカメラもアマゾン同様に顧客を第一に考えているそうです。そのため、品揃えや配送スピードもアマゾンに負けず劣らず(配達料も無料!)だそうで、しかもネット通販を始めたのはウェブ黎明期の90年代というから驚きです。なのにあまり知られていない?気がするのは私だけでしょうか。。。個人的にはもう少しマーケティング(広告)に投資しても良いのでは?と思います。
また、ZOZOTOWN、LOHACO、locondoなどの通販サイトも好調で、理由としては、ファッションなどのある特定分野に特化、もしくはオリジナル商品の開発・販売があるそうです。そして、その開発にはサイト内の検索ワードなどのデータが活用されているとのこと。今後はさらにAIなどが活躍し、ますます便利になっていく気がします。
先日、ZOZOTOWNでは「ツケ払い」という、支払いを2ヶ月後にする支払方法も始まりましたが、こういったサービスも差別化には有効ですね!

まとめ

物流大戦争というより、ネット通販大戦争という感じですかね。確かに各社、各サイトの物流の強み・仕組みについても書かれていますが、それをどう活かして売り上げにつなげていくか。というほうがメインだった気がします。とにかく、この本を通じて感じたのは、「顧客至上主義がすべて」ということでした。品揃えを豊富にするのも、配送スピードをあげるのも、お客さんの雑談に付き合うのも、すべてはお客さんのため。それがリピーターとなり、売り上げになり、新しいことに投資ができるということなんですね。また、この本を読んで、いかにロジスティクスを構築するのが大変か、そして各社の企業努力を知ることができ、自分たちがいかに恩恵を受けているのか実感しました。
これからはもっとありがたみを感じて、商品が届くのを待つことにします。

今回の「なるほど、そうだったのね」

ウォルマートの項目にあった、HILO(HighLowPrice)より、EDLP(EveryDayLowPrice)のほうが有利であるということ。つまり、月に数回の特売日を設けるよりも、毎日を特売日にしたほうが需要が安定し、供給予測もしやすいそうです。素人目からすると、薄利になりそうですが、売り上げが安定する分、他の部分でコスト削減などができるんですね。
というか今回、最も衝撃的だったのが「オフィスグリコは未収金をその会社に請求しない」ということ!これってすごくないですか!?うちの会社も足りてない時あるのかな?と思ってしまいました。。

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突如「本を読まなければ!」と思い、毎月最低1冊は読むことを決意。そしてこのブログにその本の感想も書くことに。仕事はWeb関係で、好きなジャンルは、経済、金融、投資、科学、アート、デザイン、IT、教育などなど。買う本は1,000円以内と決めています。おすすめの本があったら教えてください。

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