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データの見えざる手:ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則 (草思社文庫)

データの見えざる手:ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則 (草思社文庫)

この本について

タイトル データの見えざる手:ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則
著者 矢野和男
出版社 草思社
ページ数 288

なぜこの本を読んだのか?

ウェアラブルセンサを使って行動を計測し、そのデータから幸福度を測る。というテーマと、これからの社会で必ず活躍するであろうAIやビッグデータについても面白そうだなと思い購入です。

気になった・印象に残った点

人間は無意識のうちに行動を最適化している

ランダムに集めた複数人で実験した結果、年齢や性別、行動パターンが違うにも関わらず、実験データの形がみんな同じだということがあったそうです。これは人間が知らず知らずのうちに、自分の行動をその時々によって最適化していることが原因だそうです。データは腕の振り具合から取っているのですが、自分では毎日違う行動をしているつもりでも、午前と午後で無意識にエネルギーの配分を変えたりして、1日のトータル消費エネルギーがだいだい同じになるようにしているのです。
つまり、この行動データから言えるのは、自分で時間やエネルギーの使い方をコントロールしていると思っていても、無意識のうちに平均値に近づくようになっているということですね。だから、データの形が同じになるのです。

平等なチャンスでも結果は不平等になる

やりとりを繰り返すことにより、結果が偏るという実験結果もありました。この結果から見えてきたのは、すべての人間に平等な機会(チャンス)が訪れたとしても、それが何度も繰り返されると、結果的には不平等になるということです。著者は現実世界に貧富の格差ができてしまうのも、こういったことが原因だと指摘しています。
確かに、実験では個体差のないただの物質だったにも関わらず、不平等な結果になるわけですから、個体差がありまくりの生身の人間で格差が生まれてしまうのは当然なきがしますね。



幸せになるかどうかは遺伝子で半分は決まってしまう

これは衝撃ですね。この世に生を受けて、その人が「自分は幸せだ」と感じるかどうかは先天的に50%は遺伝子で決まっているそうです。なので、残りの50%が環境や生い立ち、その人の努力によって決まってくるそうです。こうなると、色々自分以外のことに責任を押し付け、悲観的になりそうですが、幸せを感じるようになるための方法は意外とシンプルでした。

それは「自ら積極的に行動を起こす」ことだそうです。

行動自体はなんだっていいのです。早起きしてみたり、本を読み始めたり、困っている人を助けたり。。。とにかく、なにか自分から行動することで、自分は幸せだと感じることができるんですね。
これは会社と社員の関係にも影響しており、与えられた仕事をこなすよりも、自ら仕事(プロジェクトなど)を見つけ、進めていくほうが生産性もあがるそうです。つまり、なにごとも受け身になるなということですかね。

休憩中の会話が活発なほど業績が良い

これは仕事中の話ですね。コールセンターでの実験では、休憩中の会話データを取り、会話が活発だったときほど受注率が高かったということです。つまり、会話をたくさんすることによって、ハピネス(幸せ)を感じ、生産性が高まったということですね。数字にすると10〜20%も受注率がよくなったとのこと。これはコールセンターでの数字であり、一般的な業務内容にすると、生産性は37%、創造性に至っては300%も向上するそうです。
また、これを株式の利益率に換算すると18%も違ってくるのだとか。
休憩って大事なんですね!

よく動くことは運も上がるしイイことだらけ

実験からは、とにかく体を活発に動かすことが良いことがわかってきました。具体例でいうと、社内で上司への確認や承認をもらうときなど、メールやチャットではなく、直接面と向かってするということです。これを一度しなくなると、次に同じことをするのにさらに時間がかかり、進行が遅くなるそうなのですが、これらは実体験からも感じられます。実際、面と向かって話したりするのは面倒だし、ダメ出しのときなんかは億劫になりますよね。そうやって、どんどん直接のやり取りが減っていき、仕事も進まなくなるのです。

それから人に会うことも同じで、これは「運」をコントロールできるという話です。人に会うことで、自分の持っていない情報・知識をもらい、それによって新たな発見が生まれ、道が開ける。というように、直接誰かと会うというのは様々な幸運をもたらしてくれるということです。これは本を読むことも同じような効果があるのでは?と個人的には思っています。
そして、上記のように体を動かしていると、いろんなことがスムーズに運ぶようになり、やめられなくなるそうです。
Keep Moving!ですね!

ロボットのほうが的確な仮説を立てられる

ウェアラブルセンサのおかげで様々な、そして大量のデータを取得することができるようになりました。いわゆるビッグデータです。現在では、このビッグデータを人間が解析し、企業や店舗の業績改善に役立てています。しかし、この解析は人間が行うよりもロボット(人工知能)が行ったほうが、はるかに的確で、効果もあると実験からわかったそうです。ということはアナリストという職業も、今後はどんどん人工知能に置き換わっていくのでしょうか。
それから人工知能は大きく3タイプで、運転判断型、質問応答型、パターン識別型だそうです。
上記の仮説を立てるタイプというのが運転判断型ですね。質問応答型はチャットボット系?で、パターン識別型が顔認証システムなどに使われているものですね。

まとめ

意外と分厚い本で、しかも文字も1ページ内にビッシリと書かれていて、思いのほか読むのが大変でした。。中身は、とにかく人の幸せ(ハピネス)を高める、上げるには活発的に動くのが良い、という内容でした。活発に動いて、実際にたくさんの人に会って、面と向かって会話をする。こうすることで人のハピネスは高まり、企業であれば業績があがるのです。これらのことは長年の実験によるデータで明らかになっていますので、信憑性がありますね。

今回の「なるほど、そうだったのね」

人は「自分が思っているほど時間を有効に使えていない」ということでしょうか。
上にも書きましたが、無意識にうちに1日に使うパワー配分は最適化され、基本的には毎日同じような量のパワーしか使っていないのですね。筆者は自らウェアラブルセンサを身につけ、膨大な量のデータをとって見返していたそう。そして、時間を有効に使うことの重要さを身をもって感じたそうです。また、このデータはリアルタイムで取得していくことが大事ということ。

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突如「本を読まなければ!」と思い、毎月最低1冊は読むことを決意。そしてこのブログにその本の感想も書くことに。仕事はWeb関係で、好きなジャンルは、経済、金融、投資、科学、アート、デザイン、IT、教育などなど。買う本は1,000円以内と決めています。おすすめの本があったら教えてください。

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